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名優・マイケル・チェーホフ
マイケル・チェーホフ(1891-1955)はロシア最大の俳優の一人である。また、演出家、演技教師。
スタニスラフスキーの弟子として、スタニスラフスキー・システムを研鑽し、モスクワ芸術座にてスタニスラフスキーと共に数多くの仕事をする。
キャラクターへの変身が非常に優れており、それぞれの役の演技を見て観客はどうしても同じ人間には思えなかったという。
「桜の園」「三人姉妹」「ワーニャ叔父さん」などの名作を残したアントン・チェーホフの甥にあたる。
これぞスタニスラフスキー・システムだ!
あるとき、マイケル・チェーホフはモスクワ芸術座での公演において、
自分の父親を亡くすシーンを演じた。
それは、リアリティ、信頼性、芸術性、すべてを兼ね備えるすばらしいものだったという。
それを見たスタニスラフスキーは
「これこそがシステムだ!」
と叫んだ。
スタニスラフスキーのシステムは、過去の経験を掘り起こしてアプローチをかけていく方法。
しかし、マイケル・チェーホフの父親は健在だった。
つまり、彼は自分の過去の経験ではなく、自分の想像力だけで、リアリティのある演技にアプローチしてしまったのだ。
つまり、マイケル・チェーホフはスタニスラフスキー・システムを独自に進化させて、想像力からアプローチする方法を生み出したのだ。
これが、マイケル・チェーホフが創始した「心理身体的訓練」である。
メソード演技の欠点
メソード演技や、スタニスラフスキー・システムにも欠点がある。
それは、自分の内側、内面に意識を集中させてアプローチをかけていくので、どうしても表現が内にこもりやすい。
特にあまり訓練していない俳優がメソード演技の理論で演技をする場合、役者側ではリアリティを感じているのに、観客にはそれが伝わらないということも起こる。
演技は、観客に伝わらなくては意味がない。
その欠点を一部の批評家は指摘している。
表現力と想像力を高める方法
マイケル・チェーホフのメソッドは根底には、スタニスラフスキーシステムやメソード演技の訓練がある。
そして、マイケル・チェーホフの「心理身体的訓練」はさらに外に表す、はっきりした形に示す、キャラクターに変身するということにおいて非常に効果的な方法である。
「心と体はつながっている」
「体をそのように動かせば心もそれについてくる」
「想像力も同じ」
この考えを元に本番でも使える方法論と訓練法が確立されており、リアリティをもって表現力、想像力を高める方法になっている。
想像力、体の動きの表現力、キャラクターへの変身の訓練には非常に最適なものといえる。
ただし、この方法も、メソード演技の「リラックス」「注意の集中」「五感の記憶」の訓練をしなかったなら、単なるお遊戯になってしまう可能性が強い。
よって「メソード演技」と「心理身体的訓練」を合わせて訓練していくことが、
本物の演技者になる為の近道であるといえる。
受け継いできた訓練法
難波善明は、師であるゼン・ヒラノ氏よりマイケル・チェーホフの訓練法を学んだ。
ゼン・ヒラノ氏は「演技者へ」というマイケル・チェーホフの著書を訳した人物で、マイケル・チェーホフメソッドの第一人者でもある。
ゼン・ヒラノ氏はマイケル・チェーホフの直弟子に会いに行き、その方法の指導をうけたという。
それをさらに改良し明確な訓練法を確立した。
その指導を受けた難波善明は自身の劇団で試しながら改良し、さらに発展させていった。
「演技力向上プログラム【滑空】」では、その訓練法をあますところなく紹介している。
これは、まさに演技レッスンの宝といえるであろう。