見当違いな演技レッスン
その訓練は何の為?
演技レッスンの学校や養成所のカリキュラムを見ると、ビックリすることがあります。
カリキュラムのほとんどが、ダンス、日舞、アクション、ストレッチ、ボイストレーニングなどに当てられていて、肝心の演技レッスンの時間がわずかしかなかったりします。
演技は本番を経験すれば自然とつくと思われているからなのかもしれません。
ただ、よく考えてみて欲しいのですが、ダンスや日舞、アクション、ストレッチやボイストレーニングばかりなのであれば、そういう養成所よりも、もっと専門的な所に行った方がもっと力が付きます。
そういうところの生徒の方がそれぞれに対して真剣です。
そういう養成所や演劇ワークショップから、演技以外の時間を抜いたらほとんど演技のことが学べていないことに気付くカリキュラムが多かったりします。
これでは演技は上達しません。
それで、実際に演技をやってうまくいかなかったら、「ダメ出しの嵐」
どうやったら良いかと尋ねれば、表面的、抽象的な指導、はたまた「自分で考えろ」と言われる。
しまいには「センがない」とか「才能が無い」と言われたりする・・・
これでは演技力が付いていかないのは当たり前です。
演技を上達させるためには、専門のいろいろな訓練が必要です。
それはつまり「俳優の楽器の訓練」です。
これなくして良い演技は生まれません。
いくら、台本の分析ができて、セリフの理由や人間関係をうまく説明ができたとしても、肝心の「俳優の楽器」が訓練されていなければ、何も伝わっていきません。
それはいわゆる「自分の内面はそれなりにあるのに、外に全く伝わっていかない演技」です。
頭で理解しているだけの演技では、単なる理屈っぽい冷たい演技になってしまいます。
だから、ハリウッドのトップをめざすような俳優達は、この「楽器の訓練」を必死に行います。
アカデミー賞俳優のアル・パチーノは毎朝5時に起きて2時間、この楽器の訓練に時間を費やしたといいます。
演技は、単にセリフを覚えて、感情的にセリフを言ったり、動きをつけたりするだけの表面的なものではありません。
それは芸術であり、もっと奥が深く、エキサイティングなものです。
あなたも、ハリウッドの名優達のような観客の心を鷲づかみにするような演技をしたいのであれば、この「楽器の訓練」をしていくことが必要不可欠です。
そして、想像してみてください。
あなたが、名優のような演技ができる日のことを。