「泣ける演技」は良い演技とは限らない
芸ではなく、演技をしよう
演劇をやっているんだ・と知り合いに言うと
「すぐ泣けたりするの?」と聞かれたりしませんか?
世の中的には「すぐ泣ける=良い演技」という認識があるのかもしれません。
正直な話、すぐ泣ける事が良い演技とはいえません。
もちろん、演出上求められたらできないといけませんが、「すぐ泣ける」からといって良い役者といういわけではないのです。
昨今は「子役ブーム」ですが、スグに泣けると天才と言われたりします。
それは演技というより「芸」です。
その涙にリアリティがあれば人は感動しますが、搾り出したような涙ではなにも感じません。
人が演技を見て感動するのは、そこにリアリティ、真実があるからです。
作った感情で涙を搾り出すような演技では、だれも感動しません。
※通常の生活では、涙が出る時は必死に抑えようとするものです。
大切なのはリアリティです。
その演技に真実味があるかどうか?
涙を垂れ流すのではなく、とめどなく溢れようとしてくる涙を必死にこらえている演技の方がグッとくるのは私だけでしょうか?
まず、そういった演技ができるようになりたいと思ったら、とにかく「俳優の楽器」のを整備することです。
思ったこと、感じた事、考えている事が、自然に目や表情や声やしぐさが影響されていく繊細な楽器を持つことです。
これは訓練をすれば誰にでもできることです。
この「俳優の楽器を整備する」という考えを持ってやっている人は日本にはまだまだ少ないのかもしれません。
ちなみに、ハリウッドをはじめ、世界の第一線の人たちには当たり前の考えとなっています。
ですので、あなたがこの訓練にしっかりと取り組めば、他との大きな差別化ができることでしょう。
そして、本当に人を感動させ、観客の心を鷲掴みにする演技ができることでしょう。
まずは始めの一歩から。